ブログ
活動報告
BSCワンデーセミナー「外科的矯正治療の変遷および現状と未来、さらに矯正単独治療の限界について」を試聴して
2026年4月1日から約2か月間にわたりオンラインで開催されたワンデーセミナー「外科的矯正治療の変遷および現状と未来、さらに矯正単独治療の限界について」を試聴しました。
本セミナーは、骨格的不調和を伴う不正咬合へのアプローチをテーマとし、「外科的矯正治療」と「矯正単独治療」の二部構成で行われました。
矯正単独治療のセッションでは、田中康照先生より、骨格性不正咬合における外科手術併用の適否判断という臨床上の重要課題について問題提起がなされました。ゼロベースバイオプログレッシブ法(ZBP)を用いた診断に基づき、外科手術を行わずに治療した5例のボーダーライン症例が提示され、治療方針の考え方や診断のポイント、治療内容について活発な質疑応答が行われました。
講演は、水野周平先生による「Zerobase Bioprogressive Philosophyによる診断・治療目標・治療メカニクスの選択の重要性」を皮切りに、成人開咬症例やClassⅢ症例、非抜歯・非外科症例、高難度症例など、多岐にわたる症例報告が行われました。その後のシンポジウムや症例解説では、治療計画立案における重要な視点が詳しく解説されました。内容・ボリュームともに非常に充実しており、一つの学術大会に匹敵する質の高いセミナーであると感じました。
一方、外科的矯正治療のセッションでは、東京歯科大学千葉歯科医療センター臨床教授の高木多加志先生より、日本における顎変形症治療の歴史と発展、ならびに今後の展望についてご講演いただきました。
講演では、顎変形症治療における機能性・審美性・安定性を実現するための条件、ClassⅡ・ClassⅢ症例に対する基本術式、Short Lingual法の特徴、さらには日本人と欧米人における骨格形態の違いを踏まえた手術計画の考え方などが、豊富な症例を交えて分かりやすく解説されました。また、治療のデジタル化や診断支援ツールの進歩についても紹介され、顎矯正手術のさらなる発展には3Dソフトウェアの保険適用が重要であるとの見解が示されました。
今回のセミナーを通じて、外科的矯正治療と矯正単独治療の双方について最新の知見を学ぶことができました。私の診療所では、開業当初は矯正単独治療を希望される患者さんが多かったものの、近年は外科的矯正治療を希望される患者さんが増加しています。その背景には、外科手術技術の進歩や保険適用による患者負担の軽減があると考えています。
私自身、患者さんに顎変形症の有無を正確に説明し、それぞれの希望に沿った最適な治療法を提案することを基本方針としています。そのためにも、今後さらに知識と技術の研鑽を重ね、より質の高い診療を提供していきたいと考えています。
