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「神戸臨床小児歯科研究会令和7年度例会」に参加して

2025年10月19日、神戸三宮で開催された神戸臨床小児歯科研究会令和7年度例会に参加しました。
本研究会は、小児歯科専門医の故佐本進先生と東京の故落合靖一先生によって、いわゆる「むし歯の洪水」と呼ばれた昭和47年(1972年)に設立された歴史ある会です。坂田会長によると、「小児歯科専門医だけの集まりではなく、一般開業医(GP)の先生方と共に小児歯科を育てていく」ことを理念としており、50年以上にわたり継続してきた勉強会とのことです。

私は小児歯科専門医でもGPでもなく矯正専門医ですが、10年以上前、当時会長を務められていた神原修先生にお誘いいただき、オブザーバーとして初めて参加しました。その際、設立者である佐本進先生のご子息であり、アライナー矯正の第一人者である佐本博先生が講演されるというご縁もありました。しばらく参加が途絶えていましたが、2022年より再び会員として活動しています。

今回の例会では、大阪歯科大学小児歯科准教授・阿部洋子先生と、青山アール矯正歯科・佐本博先生の2名が講師を務められました。
阿部先生は「口腔機能の発達支援がかなえる子育て密着歯科の完成型(後編)」をテーマに講演され、小児の摂食・嚥下機能や食事形態を多面的に解説されました。特に、歯科医師が子どもの「食」の支援者となるには、親子関係を含めた広い視野と具体的な支援策が必要であると強調されました。また、現代の育児では母親のスマートフォン依存が子どもとの関わりに悪影響を及ぼしているという指摘も印象的でした。中高生だけでなく、乳幼児の発達にも影響が及んでいるというお話は示唆に富み、子育て支援と歯科の関わりの重要性を改めて感じました。阿部先生の講演は明快でテンポよく、時間配分も見事でした。

続いて佐本博先生は、「インビザラインジャーニー」と題し、ご自身の臨床の歩みと考え方を語られました。2006年に青山で開院後すぐにインビザラインの導入コースを受講し、その可能性に惹かれて挑戦を続けてこられたとのこと。以来、日本人初の2000症例到達や複数のアワード受賞など、アライナー矯正の第一人者として国内外で高い評価を得ておられます。先生は「10年前には今ごろアライナー治療が矯正界で当たり前になっていると思っていたが、まだ否定的な専門医も少なくない」と現状を率直に語られました。その言葉には、臨床家としての情熱と矯正治療の未来への期待が込められていました。

講演後には恒例の「インビザライン症例検討会」が行われ、4名の先生が治療途中の症例を提示。佐本先生からは臨床経験に裏打ちされた具体的で示唆に富むアドバイスがあり、会場全体が活気に包まれました。

例会後の懇親会では、小児歯科の臨床現場ならではの情報交換ができ、矯正医の立場からも多くの学びを得ることができました。50年を超える歴史を持つ本研究会が、今もなお時代に即したテーマで進化し続けていることに感銘を受けました。来年の例会にもぜひ参加し、引き続きインビザライン治療のコツや小児歯科医のこどもとの接し方を勉強させていただきたいと思います。

  神戸臨床小児歯科研究会例会!

      本日のプログラム!
      佐本先生ご講演!
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