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活動報告
第24回ホズミオルソ会に参加して
2025年10月22日、第24回ホズミオルソ会が岐阜の老舗旅館「十八楼」で開催されました。この会は、大学矯正歯科医局出身の同窓生が年に一度集まり、症例発表や情報交換を通じて研鑽を積む勉強会です。今回のプログラムは、特別講演1題と会員講演4題という構成でした。
まず、日置茂弘会長の挨拶の後、会員講演に移りました。
最初に登壇された山西敦子先生は「開窓6症例と外科矯正治療」をテーマに、特にダウン症患者に対する上下顎骨切り後の対応について発表されました。手術後の生活支援や通所施設との関わりなど、通常は聞く機会の少ない内容が多く、大変学びの多い講演でした。患者さんやご家族に寄り添う先生の姿勢に深い感銘を受けました。
続いて犬束信一先生は「バイオネーターによる第一期治療例」について講演され、咬合の改善のみならず睡眠障害の改善にも有効である点を強調されました。マルファン症候群の親子に対する治療例は非常に興味深いものでした。
峰田雅章先生は「日常臨床において困った症例について」をテーマに、多様なケースを紹介されました。ご自身では「アカデミックではない」と謙遜されていましたが、非抜歯希望の患者対応など、臨床現場での丁寧で堅実な治療方針は、いつもながら安心感のあるものでした。
この後、日本矯正歯科学会評議員の萬建一先生から、専門医の申請・更新の手続きや、認定医・専門医更新時のホームページ倫理審査体制の変更などに関する報告がありました。学会の最新情報を直接伺える貴重な時間となりました。
最後の会員講演では串本先生が「鈴木善雄先生との想い出〜ご指導を受けた治療法〜」をテーマに講演されました。鈴木先生の幼少期から晩年までの写真や思い出話が紹介され、会場は懐かしさと温かさに包まれました。資料の多くは鈴木先生のご家族から提供されたもので、深い敬意と感謝が込められた発表でした。私自身、鈴木先生には大変お世話になったため、初めて見る写真に胸が熱くなりました。亡くなられて4年が経ちますが、今も折に触れて先生の言葉を思い出します。恩師を偲ぶすばらしい講演をしてくださった串本先生に心より感謝申し上げます。
特別講演は、大阪・心斎橋MA矯正歯科院長の森本洋孝先生による「インビザラインファーストとインビザラインの治療戦略と可能性」でした。インビザラインファーストが萌出スペースの確保のみならず、先天欠如、MIH、埋伏歯など多様な臨床に応用できることを具体的症例を交えて紹介されました。また成人の抜歯症例における空隙閉鎖や前歯傾斜管理の戦略を提示し、アライナー矯正の可能性と今後の課題についても考察されました。臨床的に非常に実践的で、参加者一同大いに刺激を受けました。
ホズミオルソ会は、治療方針やテクニックの異なる先生方が一堂に会し、互いの経験を共有できる貴重な機会です。年に一度の集まりですが、毎回新たな発見や気づきを得ることができます。今後もこの勉強会が末永く続き、世代を超えて学びの場であり続けてほしいと願います。


