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第67回近畿東海矯正歯科学会に参加して

2025年6月22日、大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)で開催された第67回近畿東海矯正歯科学会に参加しました。構成は、6つの学術口演、学術展示、一般症例展示、認定更新用症例報告、2つのシンポジウム、そして矯正器材展示と、非常に充実した内容でした。

プログラム最初の学術口演は、大学時代の同期であり、前・金沢医科大学歯科口腔科教授の出村昇先生によるものでした。「金沢医科大学病院における口唇裂・口蓋裂患者の統計的観察」という演題のもと、形成外科に受診した患者923名と、矯正歯科に紹介された211名の2群に分類し、それぞれの裂型や矯正治療を要した割合、全体的な傾向を明確に示されました。金沢医科大学が北陸地域の中核病院であり、国内でも数少ない、医学部病院内に歯科口腔外科と矯正歯科を併設する医療機関であることが、優秀な人材が在籍することと合わせ、多くの患者から信頼を集める要因であると実感しました。

他にも、アンカースクリューを活用した症例、開咬の長期安定症例、常染色体優性遺伝性疾患であるLoeys-Dietz症候群の治療例、大規模言語モデルによる自動診断システムの紹介など、多彩で興味深い講演が多数あり、いずれも内容の濃いものばかりでした。

シンポジウムでは、海外から2名の講演者を迎え、デジタル矯正を中心とした講演が行われました。香港大学のYanqi Yang教授、そしてアメリカのルイビル大学の出口徹教授による講演です。特に出口教授の発表は、今回私が最も楽しみにしていたものでした。

出口教授はアメリカ生まれで、日本の大学を卒業後に矯正歯科に所属し、その後アメリカに渡られたそうです。現在の地位にあるのは英語力のおかげであるとご自身では話されていましたが、実際にはそれ以外にも高い能力をお持ちであることは明らかです。講演では、米国の歯科大学における卒後教育のあり方、アライナー矯正やインプラント矯正の臨床評価、そして3Dソフトウェアや画像を用いた臨床研究について詳しく紹介されました。また、現在ルイビル大学で行われている教育システム・臨床体制・研究活動に加え、AAOやABO、アングル矯正歯科学会、Tweed研究会といった主要な団体の特徴や関係性についても分かりやすく解説されました。

特に印象的だったのは、インビザライン以外の有望なアライナー製品(angel aligner)、セファロ自動分析ソフト(Web ceph)、個別に作成されるカスタムブラケット(Light Force)、上顎骨拡大装置(MSE)などの最新情報です。それぞれの特徴や利点、欠点などについても鋭い考察がなされ、非常に参考になりました。

日本語での講演であること、そして日本の矯正歯科界の現状を踏まえた上でアメリカの最先端情報を丁寧に伝えていただける点が、非常に理解しやすく、出口先生が多くの学会で注目され、引っ張りだこである理由も納得できました。まだまだ豊富な知見をお持ちの先生ですので、機会があれば再び講演を拝聴したいと思います。

     第67回近畿東海矯正歯科学会!
           メイン会場!
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