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「第34回日本顎変形症学会」に参加して

 2024年6月27, 28日に東京有明のTFTホールで開催された第34回日本顎変形症学会に参加してきました。もちろん昨年に続きライブでの参加です。学会のテーマは、「顎変形症治療に関わる叡智の結集」でした。「結集」は仏教の世界では“けつじゅう”という読み方があり、本来は「ともに唱えること」を意味するそうです。そして釈迦没後には“編集会議”のことを“けつじゅう”と呼ぶようになり、正にこれは学会活動に相当すると考え、今回の学術大会のキーワードにしたとのことでした。

 学会は特別講演、教育講演、5つのシンポジウム、ランチョンセミナー、一般演題(口演、ポスター)で構成されていました。5つのシンポジウムのうち「口腔外科医による顎矯正手術の安全性の確保と実際の医療提供体制の現状」では、4名の先生がそれぞれの所属する病院での医療体制について述べられました。どの講演内容も素晴らしいものでしたが、中でも島根大学の菅野貴浩先生の若手口腔外科医育成にかける熱意が伝わる講演が印象に残りました。コロナ禍以前、私はほぼ全ての患者さんの手術には立ち会っていましたので、執刀医並びにスタッフの皆さんが安全に配慮している様子は十分にわかっていたつもりでしたが、改めてどの病院でも患者さんへの対応に大変な力を注いでいることが理解できました。

 そのほか教育講演「サスティナビリティをもたらすインセクトテクノロジー」も大変興味深い内容でした。講師の長島孝行先生(ヤマザキ動物看護大学動物人間関係学科教授、前東京農業大学農学部教授)は、昆虫などの小さな動物の機能性を研究・応用しそのシステムやモノを社会に落とし込むインセクトテクノロジーを提唱されてきた方です。身近な例で言うと新幹線のドアは蜂の巣の構造を取り入れて作られているそうです。そうすることによって少ない材料で軽く、強度を増したものが作られています。一見我々の学会とはかけ離れた分野のようですが、歯科医療にも応用できそうな内容も見られ、研究次第では将来患者さんにとって非常に有益なものができるに違いないと思いました。

 来年は北九州での開催らしく、今から楽しみです。

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