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創立100周年記念 第85回日本矯正歯科学会学術大会に参加してし(歯科衛生士)

 第85回日本正歯料学会学術大会に参加し、歯科衛生士セッション 高橋 治先生、高橋 未哉子先生 による「MFTの基礎と臨床」を拝聴させていただきました。高橋 治先生、高橋 未哉子先生 はMFT(口腔筋機能療法)でとても著名な先生で、テキストを複数出されており、私自身、先生方のテキストや講演などを参考にMFTの指導を長年行なってまいりました。講演は毎回大変勉強になる内容で、今回も歯列矯正治療・MFTトレーニング終了後10年以上の長期的な顔貌歯列変化の経過症例などが発表されており大変興味深い内容でした。
 その講演から患者さんにお伝えしたい事は、歯列不正の種類にもよりますが、矯正治療の成功及び咬合の安定は、口腔周囲筋の正しい使い方を獲得し、舌癖を修正する事が必要不可欠な場合があるという事です。「弱くて持続的な力をかけ続ける」事で歯は動きます。日常の生活において何度も繰り返される習癖は歯列に大きな影響を与えます。例えば、唾を飲み込む時に舌で前歯を押す、上下の歯の隙間から舌を突き出す、口をぽかんと開けて舌がだらんと下の前歯辺りにある、頬杖をつく、うつ伏せで寝る、などなど要因は沢山あり、これらが原因で開咬、出っ歯、歯のガタガタなど噛み合わせの不具合が出てきてしまう事があります。全ての方にとって、基本である舌の適切な状態『安静位(普段何もしていない時の舌の状態)』を知り、自分はどの様な状態なのか理解しておく事は、長い人生お口の健康を守っていく上でもとても大切です。是非とも確認してみてください。

『安静位』 ・鼻で息をする ・舌は上顎に沿わせてふんわりつける(舌の先は歯に触れない位置におく) ・上下の歯は1-2ミリ程度離す
この3点です。

もしこれが自然と出来ていない方は、自分で1日のうち何度かタイミングを見つけ意識して実践してみてください。
 長い間、様々な長期保定症例を見てきましたが、やはり矯正治療後に歯並びの安定性が悪い方(後戻りされる方)は口腔周囲に悪い影響を与える癖が強く残っている方が多いです。もちろん元々の骨格や歯並びの状態によって後戻りのしやすさには個人差があり、その上加齢や、口腔内の衛生状態によっての環境の変化等々もあります。過度な後戻りを防ぐ為に保定装置の適切な使用はとても重要ですが、並行して安静位など口腔周囲筋の正しい使い方、舌の癖を気にかけてお過ごしいただく事が咬合の安定に繋がると思います。

 歯磨きやゴム掛け(顎間ゴム)もそうですが、MFTトレーニングは、毎日のご家庭での管理(トレーニング)が必要となります。お子さまの場合は、ご家族の協力が必要となります。1ヶ月1度の来院時だけ歯磨きを丁寧にしても虫歯や歯周病は防げませんし、頻度の少ない舌のトレーニングを行なったとしてもなかなか身につきません。矯正歯科治療は患者さんの意志と協力が非常大切だと思います。長い時間と費用をかけた甲斐があったと思えるような良い結果を出せるように是非ともご協力をお願いします。一緒に頑張りましょう。

 今回の学会は100周年の記念大会でした。日々進化し続ける歯科矯正学ですが、インターネット上では様々な矯正治療についての情報が発信されています。残念な事にこれらは全てが正しい情報だとは限りません。専門職として適切な情報を患者さんに日々アップデートしながら伝える事が出来るようこれからも学習していきたいと思います。

第85回日本矯正歯科学会学術大会
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