ブログ

2022年6月19日、兵庫県歯科医師会主催のオンラインセミナーを視聴しました。昭和大学歯学部歯科矯正学講座の槇 宏太郎教授が「アライナー矯正の基礎と臨床」というテーマで話されました。アライナー型矯正装置（インビザラインなど）は、審美性の獲得と口腔清掃の困難性の改善という点から一般社会における矯正治療の普及に大きく寄与している反面、治療ゴールに到達できない症例も多く見られると述べられました。そのため学会や消費者センターへの相談件数が激増し、歯科領域における訴訟件数に占める割合も増加の一途を辿っているとのことです。
　当院でも治療が進まない、あるいは当初の気になっているところが治っていないとセカンドオピニオンに来院される方が増えています。中には私の力ではリカバリーは難しいと お話しせざるを得ない状態の方もおられます。申し訳なく思います。
　槇先生は、昨年の日本矯正歯科学会でも「アライナー矯正の光と陰」というテーマで同様の内容で講演されましたが、前回聞けなかったお話も何点かありました。歯科医が口腔内から全身の健康チェックを担う時代が来るかもしれないとの話もその一つで、未来への希望が持てる素晴らしい講演でした。