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「口腔領域における画像診断と放射線治療」を視聴して

2021年3月28日、大阪大学大学院歯学研究科歯科放射線学教室教授、村上秀明先生の講演をZoomで視聴する機会を得ることができました。
 講演内容は、①放射線についての概論 ②画像診断 ③放射線治療 ④放射線被ばくでした。
 画像診断の部では腫瘍性疾患の読影、顎関節疾のMRI、最新のPET検査などについて話されました。
 やはり興味深かったのは、先生の専門である口腔ガンの治療に関しての話でした。平均するとわたしたち歯科医が35年臨床に携わってやっと一人の患者さんを発見するぐらいの確率だそうです。私のような矯正専門医ではもっと確率は低くなるでしょう。
 口腔ガンのうち舌ガンが半分以上を占め、阪大では年間50人の患者さんの放射線治療をしており、4cm以下の5年生存率は90パーセント近くあるとのことです。
 以前は術者が被曝しながら治療していたのが、いまではロボットによる遠隔方式高線量率組織内照射法を用いた治療ができるようになり、さらに独自に開発した患部以外の組織が被曝しないように考案された装置によって、患者さんはもちろん術者や看護師はじめスタッフにとっても安心、安全な環境になったそうです。
 患者さんが気にされるレントゲン照射による被曝に関しては、歯科医院での照射レベルでは全く健康に問題なしとお話しされました。
 普段、接することのない口腔ガンの話でしたが、コロナ禍にも関わらず、拝聴することができ、WEB開催を主催された方々に感謝です。

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