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Dr.鈴木セミナー開催

平成24年6月24日、名古屋にて鈴木善雄先生の「大臼歯の移動装置SMCを用いた第一・第二大臼歯の遠心移動、アップライト、圧下 ハンズオンセミナー」が開催され、司会とインストラクターを務めてきました。
 このセミナーは明海大学・朝日大学生涯研修のプログラムの一つとして開かれたもので、他大学歯学部出身の先生方を含め、定員15名を上回る17名の先生が受講されました。
 SMCは鈴木先生の考案された代表的な装置のひとつで、学会などでは何度も発表されていますが、正式な講習会として製作法や使用法、調整法を詳しく解説するのは今回が初めての試みでした。(概要
 もうすでに使用経験のある先生方もおられましたが、鈴木先生の細部にわたる解説と簡単なタイポドント実習を通して、SMCをより深く理解でき満足された様子でした。
 受講された先生方には特別加工されたSMCプライヤーと模型に装着された上下顎用のSMCの見本をお持ち帰りいただきましたので、すぐにでも臨床に利用して頂けるものと思います。
 私も初めての経験でしたので、とにかく無事役目を果たせ、ほっとしているというのが正直な感想です。

鈴木先生の紹介

解説中の鈴木先生

実習中です

受講生に説明中

概要

矯正臨床を行っていると、大臼歯の近心転位により犬歯や小臼歯の萌出するスペースが不足している症例や、下顎第二大臼歯が下顎第一大臼歯の遠心歯頸部に近心傾斜して正常に萌出しない症例、そして、混合歯列期、上顎第一大臼歯が上顎第二乳臼歯の遠心歯頸部に近心傾斜して萌出できない症例などを多く経験することがあります。

 このような症例は、エッジワイズ法や大臼歯の遠心移動装置を用いても、容易に改善しません。大臼歯の遠心移動装置については数多く考案されていますが、装置の多くは上顎第一大臼歯を対象としているため、上顎第二大臼歯や下顎大臼歯には使用できませんでした。また、他の目的(大臼歯のアップライトや圧下) に応用することも不可能でした。

 今回、本セミナーで行う大臼歯の移動装置 SMC (Simple Molar Controller) は、上下顎第一、第二大臼歯の遠心移動だけでなく、大臼歯のアップライトや圧下もできます。そのため、なかなか改善し難い大臼歯の咬合の改善、交叉咬合、鋏状咬合の治療にも著しい効果を発揮する応用範囲の広い矯正装置です。また、本装置は、他のシステム(矯正装置) と併用することや、混合歯列期に乳歯を利用して用いることができます。臨床的な特徴として、歯牙の移動が早いこと、歯牙の遠心傾斜や挺出が少ないことが挙げられます。治療時の処置内容はパワーチェーンの交換だけなので、チェアータイムが短くてすみます。

 講演を通して、装置の構成、装置の使用法、痛みと反作用などトラブルの対処法について詳しく解説します。また、本装置の応用として、交叉咬合、鋏状咬合の治療法について説明します。実習では、模型を使って上顎第一大臼歯の遠心移動・圧下用装置と下顎第二大臼歯アップライト用装置の製作を行い、それと同時に、装置の調整法を体験していただく予定です。

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