|
 |
2021年3月19日 兵庫県11歳女性
|
子供の矯正についてご相談させてください。
娘 11才、全て永久歯。
上の前歯4本と下前歯6本が切端咬合です。下の歯列に合計3ミリほどの隙間。奥歯は噛み合っています。
成長が早かったので身長は止まりつつあります。
数軒の矯正歯科に伺ったところ
「成長のピークは過ぎた。マルチブラケットで1年程ですぐに矯正可能。その後は数年下顎の成長を要観察」「矯正は顎の成長が止まる高校生になってから。下顎の成長によっては外科手術の可能性もあり。」など様々でした。
外科手術は全く想定外でしたし「まずは上顎の急速拡大、身長が止まったらワイヤー」という方針の医院で精密検査、診断をいただきました。
結果、上顎にリンガルアーチ・下顎に取り外し可の舌をあげるプレートを3年、その後はワイヤー矯正(約2年)か外科手術になるか、とのことでした。
3年も装置をつけた上、手術の可能性。また、理解はできるのですが、とにかく下顎の成長度合いによるからと、3年後の状態の予測は不可能だそうです。
本人は早く治したいと希望していますが、目標が何も見えず治療を開始していいのか、大変悩んでおります。
広瀬先生の症例で、リンガルアーチを用いたお子さんはとてもきれいな歯並びになってらっしゃいます。
ご意見をお聞かせいただけたら有難いです。
お忙しい中、恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。 |
はじめまして、広瀬矯正歯科院長の広瀬豊です。
もちろん個人差はありますが、女性の場合一般的には11歳が成長のピークの時期です。
さらに切端咬合でも上顎前歯が前方に傾斜し、下顎前歯が後方に傾斜しているような状態なら、骨格的な問題がある可能性が高く、わずかでも成長が残っていれば、マルチブラケットでの治療に入るのは慎重になります。
上顎の歯列が狭窄していれば側方への拡大を、舌の位置不正や癖があればそれを治すための装置装着やトレーニングを行うこともします。
それらは仕上げの治療に入る前の前準備、悪化防止と治療終了後の安定性を増すのためとお考えください。
すでに検査を受けられたとのことですので、前歯の傾斜や骨格的なアンバランスについての説明を受けられているはずです。
この先、どこかの時点で途中経過の顔や手のレントゲン写真を撮って、最初の状態との比較が行われた時にどの程度の成長があったかもわかります。
そしてそれを参考にし、マルチブラケットへの移行時期を決めることになると思います。
また当院では来院の時点で将来の手術の可能性が高そうな場合は、何もせず成長が完全に止まってから再度来院していただくことにしています。 |
|